
そこだけが輝いていた
植物の原石を探し求めていた時、沢山の植物の中でこの子だけが私の目を奪った。
バランス良く開いた葉に目が留まった訳ではない。そのずっと下の足下に目が釘付けになったのだ。
そこには神秘的な小宇宙が広がっていたのだ。
しっかりと大地を捕まえるように生えそろった根が全てを語り、私を捉えて離さなかった。
パッと見が小さく仕立てられているので、この子は若い子かな?と、思う方もいるだろう。
しかし、この根の存在に気付けば、その考えも吹き飛ぶ。
何とシッカリとした根なんだろう。
この根を仕立てる為には人の手が介在している。インディオが芽を出し成長している途中で一度土から抜き、根が見えるように再度植え込んで成長させる。
だが、この完成度の高さにもまして驚異的な美しさは、人が手を加えるだけでは作ることが出来ない。
そこには神秘的な何かが潜んでいる。
小さく仕立てられた姿に年数を感じさせないソングオブインディオのさりげない佇まいと、大地を掴むように延びる根にインディオのこれまでの生命の営みが語り尽くされている。
このインディオに流れた年月をそっと囁いている根を最大限に活かす為に、この根を優しく包み込む包容力と、根の緊張感を損なわないバランスの器が欲しい。
器を探し初めて2週間、根をすっぽり包み込む深さを持ちながら、ちょこんと3本の足で支える器に出会った。どこか憎めない感じのフォルムが、インディオと組み合わせた時に落ち着き過ぎない絶妙なバランスを実現した。
それは、人と自然の神秘によって仕立てられた根を最大限に活かした。まさに生命力溢れる作品となった。
また、もう一つの奇跡を語らせて頂きたい。実は、この子には何本かの幹を出した痕跡が残っている。1つ残された幹以外は、人の手によってカットされている。
選ばれ残された幹が語る。
まさに選ばれし者が誇らしく凛と輝いている姿そのものである。根の脇から伸ばした芽を、空を見上げるように幹を伸ばし、まるで花を咲かせたかのように美しい葉を広げたソングオブインディオ。
この作品には「凛ーRin」という題を命名した。
温室の片隅に忘れられていたようにも見えるこの植物が、スタイルモダンの流儀により新たな魅力を見出され圧倒的な生命力を発揮した。
そして見る者の心に語りかけるだろう。
この小さな「凛ーRin」は、あなたの「侘び寂び」の感性に語りかける。愛でる空間はシンプル&モダンに誂えて欲しい。
作品No Oc-070019
題目:「凛ーRin」
参考価格¥8,800.-
|